ロクサーヌ・K. ヤング 編(訳/李啓充)『医者が心をひらくとき』 上・下巻 医学書院 2002年発行

~医療現場の声に触れる~

 学生時代に恩師から紹介された本の1つです。アメリカ医師会誌のコラムの傑作選を翻訳したもので、上下巻で100編のエッセイが掲載されています。各エッセイは短いため、ちょっとした時間に読み進めることができます。医療者や患者の体験に基づく内容で読みやすく、医療に興味がある方はもちろん、そうでない方にもおすすめです。

(リハビリテーション学部 大野善隆)

池田潔 『自由と規律―イギリスの学校生活 改版』 岩波書店 2003年発行

 若き日をイギリスで過ごした著者が、パブリックスクールで学んだ経験を語る。パブリックスクールとは、13歳から18歳までを教育する私立学校である。文武両道を重んじ、礼儀作法に厳しいことで知られる。卒業生は、政治、経済、文学、芸術、自然科学、医学など社会のあらゆる分野で活躍してきた。著者は、印象的なエピソードを交えながら、在学中の日々を紹介する。
 岩波新書ロングセラーの一つ。私は、大学在学中にこの本に出会った。

(経営学部 田中信幸)

竹田恒泰 『現代語古事記』 学研プラス 2011年発行

~理解しやすさにこだわった古事記の現代語訳~

 神社巡りが趣味で、この本を読むと祀られている神様や歴史を深く学ぶことができるため、もっと面白く巡ることができると家族から本書を薦められました。
 学生の頃から日本史が好きであったこともあり、スムーズに読むことができ、ヤタガラス、ヤマタノオロチ、因幡の白うさぎの話など、聞いたことのある話が繋がっていることを初めて知ることもでき、興味深く感じました。
 古事記を勉強でき、歴史の断片的な知識が繋がると思います。 

(リハビリテーション学部 藤田玲美)

佐野眞一 『渋沢家三代』 文藝春秋 1998年発行

~「事業は国利民福を目標としなければならない」(本書90頁)~

 本書には「財なき財閥」と呼ばれた渋沢家三代(渋沢栄一氏、篤二氏、敬三氏)の約百二十年にわたる歴史が記されています。「事業経営」に対する渋沢、岩崎両氏の考え方の違い、そして死闘・・・。同時代の著名人やその一族に関する記述も多く、渋沢家の人々の人間的な魅力に触れることができるのはもちろん、幕末から昭和までの日本を知ることができる一冊です。

(経営学部 杉浦優子)

畠中恵 『しゃばけ』 新潮社 2001年発行

~他人と本当に理解し合うことは難しい~

 恐らく、全教員の中で最も読みやすく、もっとも「ゆるい」本を紹介していると思う。しゃばけは、妖怪と会話ができる病弱な若旦那と妖怪とが織りなす人情物語である。
 この本の見どころは、妖怪と対峙した際にみせる若旦那の関わり方である。臨床でこんなことが「あるある」と思いながら読んでしまうのは、私が作業療法士である性であろうか。カウンセリングに興味がある方が読んでもおもしろいかも知れない。         

(リハビリテーション学部 藤田高史)

森有正 『バビロンの流れのほとりにて』 筑摩書房 1968年発行

 小学生の時からフランス語で授業を受け、西欧文化に精通、40歳で東大の教員を辞めて渡仏、放浪の哲学者となった著者の思索の記録です。芸術が千万の言葉より真理を理解するきっかけになる(著者はそれを「経験」とよんだ)、自己の本質の姿を見通し、その姿に耐えることが人生だ、などと書かれていたように思います。理解できない箇所は、自分なりに解釈しつつ読んだ記憶があります。数十年の時を経て読み返しても発見が得られる書です。

(経営学部 鈴木愛一郎)

池谷裕二 『進化しすぎた脳 ―中高生と語る「大脳生理学」の最前線』 講談社 2007年発行

 大脳生理学者が対談を通して、高校生に脳の進化、心、記憶などを講義する内容である。高校生との対談形式であるため、理解しがたく手に取りにくい印象のある脳について著者は平易に説明しており、理解しやすい。
 脳地図は体が決める、あいまいな記憶が人間にとっては良い、意識の最低条件など、脳や人間の生理や行動を理解することにつながり、興味深い内容が数多く記述されている。
人間の心や体を学ぶ者にとって役立つ1冊である。

(リハビリテーション学部 林浩之)

三浦綾子 『道ありき 青春篇』 新潮文庫 1980年発行

 13年にわたる病床の青春と信仰への道のりを率直に語った自伝小説。作者の精神の成長に心を震わす読者が多い。が、少々私的な楽しみ方を口コミしたい。病床という狭い空間で、愛し愛される人々、"立派"な人々、自由でわがままで弱い人々、多様な人間模様がオムニバス映画のように次々と登場し交差する。どんな状況にあっても世界は拡がる...閉塞感を感じるのは自身の心だ。コロナ禍の今、読み返したい1冊。

(経営学部 岡室美恵子)

タル・ベン・シャハー (訳/成瀬まゆみ) 『ハーバードの人生を変える授業(Even Happier)』 だいわ文庫 2015年発行

学んだことを実践するのは、結構難しいものです。
原文(英語)のタイトルと、日本語訳は全く印象が異なる本書には、
「自分を受け入れるには?」「何が心の障害になっている?」
といった実践につながるワークが提示されていて、「幸せ」研究に関する学術研究のエッセンスを短時間で学び、実践する構成になっています。
  
最後に、以下のような宣誓文が提示されています。
「失敗して学ぶか、学ぶこと自体に失敗するか」
「幸せ」な大学生活を送るヒントが見つかるかもしれません。

(リハビリテーション学部 林久恵)

『聖書』 日本聖書協会

 ミッション系大学(南山大学外国語学部英米科)の学生時代、英語と聖書は切り離せないと思いつつ何もしなかった。その後、そのままアメリカに留学。現地の人々と交流する中で、キリスト教を知らずにアメリカ人は理解できないという思いが強くなった。やっと聖書を開いた。聖書は、深淵な書物だが、その核となる真理は幼い子どもも理解できるほどやさしい。私にとって、聖書の「愛」との出会いは人生のターニングポイントとなった。初めて聖書を手にした大学2年のあの頃にその「愛」に出会っていればと痛感した。留学を経て、聖書は人生の羅針盤、且つアメリカ理解の基本の書となった。

(経営学部 神野真寿美)